
「最初、クライアントからの依頼内容には、予算、納期、簡単なシステム概要だけが示されました。それに対して当初は、業務要件を知っている者でも現状のクライアントの業務フローについては、殆ど把握していませんでした。
そこで、現状のシステム機能、業務フローを調査したうえで、現状の業務フローをまとめ、新システムでのニーズを洗い出し、正規化を行い新たな業務フローを提案していきました。つまり、提案、設計、実装のすべてをクライアント主体ではなく、弊社からどんどん提案していったというわけです。
この案件の場合、最終的には約350人月の開発でしたが、白紙の状態での要件定義からシステム稼働まで1年間、こなした量ももちろんですがスキル的にもよくできたな、というのが正直な感想です。」
その案件は、その後のHLCにどのような影響をもたらしましたか?
「それまではクライアントに要件をいただいてから開発し、100%の精度にして成果物を出すという流れでしたが、それがどんどん弊社の方から提案するという形に変化してきています。もちろん、このような流れは、確定しないうちに走り出してしまうので、途中で戻ってしまうこともあります。しかし、いつまでも設計が確定するのを待っていたらその後の開発期間にも影響が出てきます。今後も短期間でのシステム開発が多々発生すると思っています。
待たずに、調べる、考える、提案する、そして、骨をつくって肉付けするメイキングスタイルは、弊社開発メンバーのスキルを大きく向上させてくれました。決して、推奨できる開発手法ではありませんが、これからのシステム開発に大いに役立ってくれると思います。良い経験が出来たと感謝の気持でいっぱいです。」
HLCとしても新しい流れができたということでしょうか?
「そうですね。待つといった姿勢が無くなってきましたし、クライアントが見やすくやさしい資料作成を心がけるようになっています。まずどんなに小規模の開発案件でも、業務フローを考えてみようというところから始まることが多くなりました。開発経験の浅いメンバー等にも積極的に勧めています。これは、すごく良いことだと私は思っています。
システム開発者の多くは、とかくIT技術に傾きがちですが、業務フローを考えることで業務を覚え、クライアントとも話ができるようになれば、さらに信頼を高めていただけるわけです。」
「弊社としては、社員をプログラマーとしてスキルアップさせるのではなく、クライアントから信頼を得られるエンジニアとして育てていくことに重点を置いています。クライアントに提案して、クライアントが満足してくれるシステムを開発、提供していくことができれば、それが開発部門としての大きな成功、サクセスストーリーかもしれません。」