
開発現場での創意工夫、若手社員への期待を、大規模なシステム開発事例をもとに、
ベテラン社員が実際に経験したことを例に語ります。
最近の実績でHLCとして特に力を注いだもの、その結果、大きな成功を収めた事例をお聞かせください。
「先日、大手企業様の情報管理システムを稼働させました。この案件はシステム再構築です。クライアントの要望は、現状のメインフレームで稼働しているシステムをオープン化、ダウンサイジングし、新機能を盛り込んでいきたいというものでした。
開発期間は1年です。現行機能の調査を行い、算出した見積り工数は300人月を軽く超えていました。長年お付合いをさせて頂いているクライアントです。困難な開発が予想されましたが、弊社の誰一人受注を敬遠する者はおりませんでした。彼らのクライアントへのサービス心、技術への挑戦意欲が、ひしひしと伝わり、「行ける」と判断しました。
スケジュールを組立てますと、過渡期では40名を超える体制になります。さすがに、少々腰が引けそうになったのも事実です。スタートを8名体制で組立てました。」
「体制作りの目処は立ちました。次は、どうやってシステムを構築していくか。これが問題です。と言いますのは、業務仕様が理解できてシステムが構築できるわけですが、この点で大きなリスクを抱えていたのです。新規開発または新規クライアントの場合、クライアント担当者へのヒアリング、つまり、実際にクライアントの求めている機能を引き出すということから始まります。今回の場合、弊社がずっと以前より保守・運用に携わってきたクライアントでしたので、クライアントの立場からするとシステムに関して弊社はわかっているとの思いがあったのではないでしょうか。
しかし、今回のシステム開発はクライアントの大規模システムの基幹部分でして、弊社はこのシステムには携ってはおりませんでした。
そこで、現行のシステムを把握することから始めました。現行のシステムこそが、今ある情報のすべてだという考えです。それを8人で調査しつくし理解しました。そしてクライアント担当者との折衝が始まりました。」
「具体的には、現状のシステム機能を調査して十分理解し、想定した現状の業務フローを作成しました。次にこの機能はこうあるべきではないだろうか? こうすべきではないだろうか? こうなれば業務生産性が上がるのではないだろうか? などと言った業務要件の正規化を行い、新たな業務フローを作成しました。そして、今はこうですが再構築後はこのような業務フローになりますよとクライアントに示し、確認してもらうという手順で作業を進めました。」
「それから、時間の制約があるので、作れるものは先行して作っていきました。例えば、基本となる画面であればその大枠などです。このような作業体系の下、徐々にクライアントからの要件がでるようになりました。
そのときわかったのは、クライアントのニーズが決まっていないこと自体が最大のリスクだったということです。もちろん、要員の延べ300余名がフルに100%の力を出せるかどうかというのもありましたが。それからは、常に、スケジュールやリスクをきめ細かく管理しクライアントのニーズを引き出すことに力を入れ作業していました。」